Pick-Up! Vol.12

早蕨

心和む山野草を身近に提案してくれる専門店

オープンして14年、仕事を通じてご自身が山野草の魅力にひきこまれた店主の冨田加津さんが、その魅力をたくさんの方に知っていただこうと、ガレージだった場所を改装して始めたのが早蕨さんです。

「外から見ると、ちょっと入りにくいと言われたりもするんですが、気楽に覗いて、山野草に出会っていただいて、ゆっくりと興味を持ってくれたらいいな、と思っています」と冨田さん。

山野草は野山をルーツとする小さな低木や花。早蕨さんではそれらを組み合わせてアレンジした寄せ植えや、盆栽、苔玉などを扱っています。華やかではないですが、自然の風景を凝縮した「小さな里山」のような味わいがあり、身近で育てると、心が洗われるような魅力を持っているとおっしゃいます。

「日々、世話をして見つめていると、季節が巡って小さな芽を出したり、花を付けたりする、その静かな生命力の前では、素直な気持ちに、無心になれる気がします」

育てるのに大切なのは、太陽と水と風、とのこと。でも、難しく考える必要はなく、「よく見て、気にかけて、可愛がってあげれば」ちゃんと育つそうです。冨田さんは作庭、植栽なども手掛けられていますが、山野草自体はベランダで楽しむことも十分可能とのこと。

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早蕨さんの山野草には、生育しやすいようにオリジナルの工夫が施されていて、レクチャーやアドバイスも丁寧にしてくださるので、まずは入門編の小さな鉢植えや苔玉に触れてみると、世界が広がりそうです。岩タバコ、駒繋(コマツナギ)、蛍袋(ホタルブクロ)…それぞれの植物の名前もイメージ豊かで愉しい。

「お茶席のお花は風情のある山野草が多いんです。自然をありのままに見せる、例えば枯れたものや虫の喰った葉なども活かすような景色も、作ってみたいと思っています」
お店には鉢や水盤など、こだわりの素敵な花器もたくさん。お馴染みのお客様も多いそうで、
「お持ちになった山野草が元気だよと知らせてくださったり、今年はたくさん花が咲きました、といったお話を伺うのは何より嬉しいです」と冨田さん。早蕨さんで、小さな野の花の魅力に触れてみませんか?

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